年下プリセプターの仕事の教え方にイラッ!関係が良好になるコツ

転職組の多い看護師業界では、年下のプリセプターに仕事を教わる機会は少なくありません。
反対に、年上の新人を指導しなければならないことも多いですよね。

仕事に対して真面目で一生懸命な人ほど自分の考えを持っていますから、衝突が起こるのは仕方ないことかもしれません。
でも、毎日イライラしながら仕事をするのは辛いもの。

そこで、今回は「教わる・教える」の場面において、「イラッ」が起こらないコツ、人間関係がうまくいくコツを解説します。
ほんの少し視点を変えてみるだけで変化を感じられるので、ぜひ最後まで目を通してみて下さいね。

年下のプリセプターに「仕事を教わる」高井さん

新人の高井さんは年下のプリセプター・山田さんから仕事を教わることになりました。
しかし、山田さんの教え方に不満があり、日々「イラッ」としています。

教わる人:高井さん(42歳)
キャリアチェンジで看護師になったため、42歳の新人。
長年保険会社の管理職として働き、部下や後輩の指導を経験してきた。

高井さんの不満

山田さんの教え方って、計画性がなくてムダが多いなぁ…
この前も「バルン挿入、事前学習しておいてね」って言っただけで、当日いきなり「じゃ、やってみて」ってなるしさ。

現場に参考書を持って行ったら、「ああ、それってちょっとやり方違うんだけど・・。ま、いいよ」って。

「よくないよ、こっちは!」ってホントは言いたい。

この前も患者さんの前で「ああ、もうそれ(バルンカテーテルセット)不潔にしちゃってるから、そのまま使ったら感染するよ」なんて言うし…

患者さんから「この人でホントに大丈夫なんですか?」とか不安そうな顔で言われるし、立場ないよ…
事前にしっかり教えてくれればいいのに…

はぁ…もっと、計画的な教え方をしてくれればいいのになぁ…

これが高井さんの本音です。
高井さんからすると、山田さんは雑な教え方をしているように見えているんですね。

もし、あなたが高井さんだったらどう対処しますか?

対人力を磨く22の方法 
※参考文献 対人力を磨く22の方法 奥山美奈著 メディカ出版

42歳の新人看護師、高井さんの言い分

高井さんは42歳で、大学生と高校生の子どもがいます。
夫は会社の重役、高井さんも保険会社で部下30人を持つ管理職の経験あり。

義母の介護で退職後、自宅で看取りを経験。
一大決心して看護師の道を志しました

「部下は失敗させないで育てる」のが大事という信念があるので、「失敗しないと覚えないから」という山田さんが理解できません。

プリセプター・山田さんが考えていること

先輩プリセプター山田さん・コマ

教える人:山田さん(29歳)
山田さんは29歳。独身で看護師歴8年です。
ダイビング命で性格はカラッと。仕事は「仕事は失敗して覚えるもの」がモットー。

高井さんは何でも事前に勉強してきて、言わなくてもレポート提出してくれるし、とても真面目なプリセプティ。
でも、ちょっと完璧主義なんだよね。
めずらしい処置があるから「ちょっと見て」って声かけると「勉強してきてないんですけどっ」って不満そうな顔。

でもさ、現場って、実習と違って全部の処置を十分練習してから実践するなんて所詮無理な話だよ。
夜勤始まったら救急外来にも呼ばれるし、見たことない処置の介助するなんてしょっちゅう。

私だって新人のころは胃洗浄なんてやったことなかったけど、ドクターに怒鳴られながらやったよ。
現場って臨機応変に対処できる能力こそ大事。完璧になんて思っていたら精神的に潰れちゃうし…

真面目なのもいいけど、「現場で覚える」って度胸も大事。

失敗したらプリセプターの私が責任とるんだから、高井さんにはもっと気楽に仕事に臨んでもらいたいんだよねー。

もし、あなたが山田さんの立場だったら、高井さんをどう指導するでしょうか?

部下は失敗させずに育てる・失敗して育つ? どちらも正しい。

さて、2人の気持ちをふりかえってみましょう。

仕事を教わる側の高井さんは、「部下は失敗体験をさせずに育てるもの」と思っていますが、教える側の山田さんは「仕事は失敗して覚えるもの」と思っています。

この真逆の考え方の違いが両者のイライラの原因です。
では、この考えどちらが正しいのでしょうか?

私の意見は「どちらも正しい」です。

高井さんと山田さんがモヤッとするのは、年代と人生経験が違う2人が、「自分の考えを互いに相手に押し付けている」ので互いにイライラしてしまうんですね。

高井さんの管理職の視点(コスト意識がある)の方が山田さんのより高いけど、立場的には高井さんは新人。
このあべこべな関係がさらに葛藤を生んでいます。

参考文献 対人力を磨く22の方法 奥山美奈著 メディカ出版
※参考文献 対人力を磨く22の方法 奥山美奈著 メディカ出版 詳しくはこちらの本で

両者のイライラを晴らすには、相手の考えを取り入れること

高井さんと山田さん、どちらの考えも医療の現場にはとっても必要、大切なことです。

対立ではなく融合していけたら最高です。

こう捉えると、イライラする相手とは、自分の先入観という思考の枠を広げてくれるありがたい存在でもあるのです。

(合わせて読みたい 「9つの思考のワク」がイライラ、がっかりを引き寄せる)

 みんなちがってみんないい

みんな違ってみんないい」という言葉を聞いたことがあるかと思います。これは、金子みすずさんの言葉です。
「それぞれの違いはあって良いもの」と思えたなら、人に対してイライラしない自分になれるでしょう。

今、看護学校には様々な年代の方が入学してきます。
「子育てを終え手に職をつけたい」とか、「生涯できる仕事としてキャリアチェンジを図りたい」といった気持ちを抱いて、高井さんのような年代の方も入学することが多くなってきました。

今後、年上の部下をもつ人はもっと増えます。そればかりか、今後は外国人の部下も増えることでしょう。
そんなとき役に立つのは「キャリア」とは仕事の経験のことだけをいうのではないという考え方です。

キャリアとは、成育歴や結婚や子育て、仕事や介護などその人の経験やあり方すべてを指します。

山田さんは看護という業務は教える側でも、もしかすると、人を看取った経験をもつ高井さんの方がより深い看護ができるかもしれません。

両者がお互いを尊重する意識を持てば、互いに教え合い、学び合う理想的な関係ができてきます。
年上の人に仕事を教える立場にたつとき、「この分野については私が教えさせてもらいますね」という謙虚な姿勢で相手の尊厳を守れたらステキですね。

【この記事のポイント】

・教わる側も教える側も「相手の意見を取り入れる」意識を持とう
・イライラする相手は、自分の先入観を広げてくれる人
・相手のキャリアを現場歴だけで見ないこと。尊厳を守って指導を行おう

対人力を磨く22の方法 奥山美奈著 メディカ出版
※参考文献 対人力を磨く22の方法 奥山美奈著 メディカ出版

こちらの本では、今回紹介したような「イラっと」、「もやっと」したときにどうすればスムーズか、
自分の気持ちを押し殺さずに、相手も尊重できる言い回しや対応方法が書かれています。
対人関係に悩む前に1冊持っておくことをおすすめします!

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