
管理者教育のポイント(No.1)|「経営陣からスタッフを守ること」が管理だと勘違いしている管理者
目次
現場に蔓延する「管理の本質」を誤解した管理者たち
残念ながら現場には、結構な確率でこうした人が存在します。あたらしくプロジェクトチームを立ち上げようとすると、「こんなに忙しいのに、まだ何かさせる気ですか?」といい、目標管理面談シーズンには、「人が急にやめた穴を必死で埋めているスタッフに、目標達成しろだなんて自分には言えません」と、堂々と言ってくる科長に主任。こんなふうになってしまうのは、自身の職務役割をしっかりと認識できていないから。また、多くの場合、こうした人々にはよくないロールモデルがいたりしてやっかいです。
古い「上司の幻影」を模倣するリスク
こうした管理者が手本としているのは、数十年前に活躍した以下のような上司の姿です。
・部下の不満を経営陣にぶつけ、戦い敗れて辞めていった上司
・実績(訪問件数)を上げずに給料アップだけを勝ち取ってくれる管理者
ウン十年前、人事評価制度もしっかりと存在しなかった時代。ハラスメントがどうのとかが問題にならなかった時代に活躍した上司の幻影を、こうした管理者は無意識に模倣しているのですが、もう時代が変わったことを認識しないといけません。人員基準を満たすことが運営の条件になっている医療や介護施設において、集団での退職をほのめかしたりすれば、事実上、組織は経営ができなくなるため、営業妨害や脅しと捉えられてもおかしくありません。今は、売り手市場の医療者や介護員だからと言って、経営陣に何を言っても許される時代ではなくなったのです。雇用される側や部下の立場であっても、自身の言動には責任を持つ必要があります。
なぜ管理者は「現場の味方」に固執するのか
管理者が前述のような言動に走る根本的な原因は、組織運営の仕組みに対する正しい理解が欠如している(、あるいは理解する機会がなかった)ことにあります。
目標管理は「部下のため」の仕組みである
本来、組織における各施策には明確な目的があります。
・新規プロジェクト: 法人の課題を組織横断的に解決するための「次の一手」
・目標管理: 部下の頑張りを適正に評価するための「部下のための仕組み」
管理者の役割は、部署の目標を達成するために適切な個人目標を立案させることです。この本質を理解せず、「経営陣 vs 現場」という対立構造で物事を考えてしまうと、組織の成長は止まってしまいます。
外部研修に頼らない「自律した管理者」の育成
普通に社歴を重ね、実務をこなしているだけでは「よい管理者」にはなれません。また、外部の高額な長期研修に参加させたからといって、魔法のように優秀な管理者が育つわけでもありません。
外部研修の限界と「外罰的管理者」の発生
多額の費用をかけて研修に出しても、組織への感謝もなく、スタッフと一緒になって自部署や組織の悪口を言う「外罰的管理者」になってしまうケースがあります。
「人」に依存した教育だけでは、その人が辞めてしまえば組織に何も残りません。また、目標管理を理解しない管理者が長く君臨すれば、その下の世代も同じ過ちを模倣するという負の連鎖が続いてしまいます。
組織全体で「管理」を学習させる「しくみ化」
真に優れた管理者を育成するためには、以下の取り組みが不可欠です。
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「管理とは何か」を学習させる仕組みの構築
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組織内での「よいロールモデル」の早期育成
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教育ノウハウの組織内への内製化
では、負の連鎖を断ち切り、時代に即した管理者を育てるためには具体的に何が必要なのでしょうか。実際のケーススタディを通して考えてみましょう。







