
ワクチンバイトで月収100万!楽して稼ぎたい「コロナバブル看護師」
私は教育支援の会社を経営していますが、人材紹介と派遣をやる別会社もほそぼそと運営しています。「一生続けられるところを」と、まじめに職場を探す看護師がいる一方で、「委員会やリーダーはやりたくないから常勤はイヤです。」「時給が高くて残業なしのところしか無理です。」と、真顔で言ってくる看護師も多くいます。そんな言動を見聞きすると、元県立高校の看護科教員だった私は、「こんなヤツに誰がした!?」(否、自らなったのかもしれませんが。)と、やっぱり幻滅してしまいます。ようやくコロナ感染症が5類となるニュースが流れてホッとしていた矢先、弊社には「やばい、やばい。コロナバブル終わる前にいい常勤場所、探さないと」という看護師が焦って何人も登録してきました。派手なネイルに「ベルサイユのばら」のようなマツエク。「メーク」ではなくもはや「アート」のような濃いメーク。面接会場はキャバクラのようになっていました。金髪で病院の面接に現れた看護師には、さすがにドラッグストアで「髪の毛を黒色に戻すスプレー」を買い与え、直してからでないと紹介できないですよ、と注意するという有り様。もともと売り手市場の看護職ですが、コロナ禍がそこに拍車をかけ、こんなふうになってしまったようです。
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ネイル・マツエクOK,髪型自由

ネイル・マツエクOK、髪型自由、、、、。それってそんなに重要か?と残念ですが、近ごろの看護師募集の欄には好条件としてこれらが入ってることが多いです。そして、この時給。コロナバブル当時は、時給4500円や日給4万なんていうところもざらにありました。バイトしすぎた翌年の税金や保険料が払えず、カードで借入。その返済のために高時給で働きたいという人や、お金を貸してくれる病院に就職したいという人もいました。(まあ、すぐ辞めるでしょうが)世も末です。
ブログやSNSで拡散された「コロナバブル情報」。まじめに働くのは損すること!?
情報化社会の怖さでもありますが、こうしたSNS等の情報がいいのか悪いのか拡散されていくと、常勤でまじめに働くことが損をすることのように感じる人も出てきます。現に、こうした投稿を見て私の知人のお子さんは「給料をたくさんもらいたいから看護師になりたい!」と言っているそうです。私が教員だった頃は、「人の役に立ちたいので看護師になりたい」という志望動機の人が多かったものですが、、、、。
数年前、「YouTuberになりたいので」といって病院を退職した看護師がいました。世の中は変わりました。ブログやYouTubeで自分の思いを発信するのが趣味という人も増えたので、採用後、退職後の情報の取り扱いやモラルついても取り決めをしておく必要もでてきました。YouTubeの動画投稿が趣味というスタッフに採用プロジェクトチームで動画編集を依頼したことがありますが、あっさりとNoでした。まあ、職員ってそういうものですね。
勤務間インターバルが1時間でも稼ぎたい
労働時間の法令順守ができているかを厳しくチェックをされるため、病院や事業所では、夜勤明けで帰った職員に夕方から勤務をさせることはできません。しかし、複数の派遣会社を掛け持ちしている看護師ならできてしまいます。せっかく国が働き方改革を打ち出して、労働者を守ろうとしても「バブルのうちにたくさん稼ぎたい看護師」は、夜勤明けの日にまた夜勤を入れます。コロナバブルで、「日中にコロナワクチンの予防接種会場で働き、(32,000円)夜はホテル療養施設に行き(45、000円)稼ぎまくりました。」という看護師もたくさんいました。推奨される「勤務間インターバル11時間」どころの話ではなく、「インターバルは接種会場から療養施設の移動時間の1時間のみ」なんてことも。「ホテル療養の夜勤は大学病院等の夜勤と比べれば全然楽勝。掃除しなくてもキレイなホテルで寝れるし逆にいい。」と、そんな勤務を三週間連続で続けているという看護師もいました。金に目がくらみすぎです。中には、ホテル療養バイトはお弁当がでるので食費が浮くし、勤務する人が休んだりすると、その人の分の弁当が余るのでそれをもらって帰れる。次の日の食費も浮いて一石二鳥なんです。と、誇らしげに語る看護師の話を私は、「その賞味期限切れの弁当で食中毒とかになったら、それも勤務させた側が悪くなるんだろうか?」と憤りながら聞いていました。最後に「弊社でご紹介した派遣先では、衛生管理上、お弁当はその場で召し上がっていたくことになっていますのでよろしくお願いしますね。」と伝えて話を終えたのはいうまでもありません(笑)。
こうした看護師の言動を見聞きすると、新約聖書の「人はパンのみにて生くる者に非ず」を思い出しますが、逆にこうした看護師は「コスト意識が高い」と捉えることもできるでしょう。採用時に(お金、お金とばかり言う人を採用するのはイヤですが)組織の昇進昇格の基準や給与規定をしっかりと知らせることで、バリバリ働くようにリードすることも可能です(だってインターバル1時間で働けるくらいですから)。第二新卒やアルバイトで暮らしているような看護師の中には、キャリアラインにのり損ね、昇進をあきらめて投げやりになっている人も結構います。キャリア志向で完璧主義傾向が強い看護師ほど、出だしでコケるとバイトに逃げてしまう。そんな傾向があると紹介会社をやっていると感じます。いつでもどこからでもリベンジできるような環境があれば、こうした人たちもまた花が開くことがあります。教育支援で伺っているある病院の師長の三分の一は休職の経験がある方々ですが、(長い師長で6年)離職率が高いということもあり、働きぶりを認められて最短での昇進を果たしました。例えばこうした例があると中途採用者のやる気が高まります。私は、就職面談時に採用予定者にしっかりと昇進昇格の基準や必要年数、昇格試験の内容などを知らせておくことが重要だと思います。「看護師に管理職になりたいという人なんていないよ」と思う方もいらっしゃると思いますが、じつはそうでもありません。私がある病院に紹介した男性看護師の一人に「看護部長になりたい」という人がいましたが、その男性は採用面接時にしっかりと、昇進昇格について「本気だせば最短15年でトップにいけるんですね」と面接者に質問していました。また、家庭の事情でやむなく仕事を休んでいた看護師の中にも「どうせ出世コースにはもうのれないですから、、、、」という人もいます。病院に出入りしている私は、看護師から事務長や人事部長になった人や経営戦略室で活躍している人を見たりしているので「そんなこともないのに」と思いますが、「看護師5年で認定看護師」などと、キャリアを狭義に捉えている人はそう感じるようです。なんとかチャンスをあげたいものです。
高齢者は新卒よりも自分と年の近いスタッフを好む。人生経験豊かな潜在看護師の復帰を叶えるきっかけと仕組みづくりを
定年の年齢が上がり、70代まで働く時代もそこまできています。長く看護師を続けていく中で、家族の育児や介護の経験が「患者や家族の立場で物を考えることができる」など、質の高い看護の礎になることも多いもの。私は自費で訪問看護をやっていますが、利用者からよく「新卒の若い子よりも話が合う年齢が近い人にしてほしい」といわれます。超高齢化社会では必然的に働く人の年齢も上がりますから、ある意味時代にマッチしているのかもしれません。Z世代やコロナ禍の影響でコミュニケーションもままならないような若者よりは、人生経験豊かな潜在看護師の方がポテンシャルが高いかもしれません。潜在看護師が安心して復帰できるような教育システムを構築することにエネルギーを注ぐのも、賢いやり方だと思います。私は各都道府県の看護協会やナースプラザの研修をよくやりますが、看護協会が何十年も潜在看護師の掘り起こしに尽力しても目立った成果があがらなかったのに対して、高時給の予防接種やコールセンター業務の募集は一気に潜在看護師の復帰を成功させました。皮肉なものです。ちょっと話はそれますが、潜在看護師の復帰に関しては、高時給ということ、被扶養者の年間収入に算定されない特例としたことも、もちろん関係してはいると思います。が、ワクチン接種を経て、常勤になった人々に復帰できた要因を聞くと「予防接種」「問診」「採血」などの業務タスクが明確にされていたので、それさえ復習すれば働けるかもしれないと、ハードルが下がったことが大きいと話してくれました。私は、この原稿を書く3日前も東京都のナースプラザで潜在看護師向けの研修をやっていて、ここでも参加者は求められる業務の中身が細分化されていると「これならできるかも」という気持ちになれると言っていました。ナースプラザで潜在看護師が復帰のための実技研修を受けられるのは、東京ですら年間4回しかありません。自分の住む地域の病院でたとえ1日だけでも復帰のための実技指導研修をやっているところがあれば、まだまだ70万人いるといわれる潜在看護師の復帰は叶う。現場で潜在看護師に関わっているとそう感じます。ちなみに2024年にナースプラザ東京が聴取したアンケートには研修の参加申し込みを決めたのは、潜在看護師本人という回答が86.7%。参加目的は「採血」「輸液」の技術指導を受けたかったから。看護協会に入会している人だから参加したんでしょ?と思いがちですが、実は、看護協会の入会率は26.7%と低く、「ナースプラザのホームページから研修を知った」という人が40%でした。つまり、ネットで復職しようと検索して参加を決めているわけです。(研修計画一覧表を見て参加を決めたという人は26.7%)参加年齢は40~49歳が53.4%と多く、なんと勤務経験年数は5~19年という人々が66.6%。「5年以上の経験年数があっても潜在看護師になってしまうほど、今の医療現場は復帰のハードルが高い」と言えます。このアンケート結果から言えることは、自院で実技指導研修を企画し、ホームページでしっかりと「看護師復職のための実技指導研修」をPRすること、「研修計画一覧表を作成し、アップしておくこと」を徹底すれば、復職を目指す看護師の直接応募は、まだまだ狙えるということでしょう。インターネットで検索すると、
大手人材紹介会社の広告が3件ヒットし、4件目に東京都福祉保健局の看護職員地域確保支援事業のページがきます。つぎに2件、紹介会社のページがきて7件目に東京都ナースプラザのページがヒット。ホームページにブログ機能を入れているところは、広報担当かあれば採用プロジェクトチームに「看護師 東京 復帰 」「看護師 復職 実技 体験」などを盛り込んでブログ更新を依頼すれば、検索の上位に食い込めると思います。
ナースプラザ等でやっている看護職員地域確保支援事業の病院体験コースの研修先として手上げするというのもひとつの方法ですが、(令和5年、東京都では研修登録場所として24件の病院が手上げしています)のカリキュラムが詳細に決まりすぎていて、現場に下すとちょっと嫌がられそうです。







