PDCAを回す
ワンランクUPポイント
- PDCAサイクルもコスト意識も新人研修に取り入れる。
- 新人のうちは日報をPDCAのフォームで書かせ、フィードバックの機会を設けよう。
- フィードバックしてくれる人々がいるうちに「仕事の精度」を上げていくのがもっともシンプルで近道。
目次
PDCAサイクルもコスト意識も新人時代から
「PDCAサイクル」という言葉は皆さんもきっとどこかで聞いたことがあると思います。
病院や介護施設などでは管理者研修等で学習することが多いかもしれませんが、私は病院の新人看護職員研修から「PDCAを回す」という内容を入れています。
新人にとっては少し難しいかもしれませんが、仕事の質を上げるには、このPDCAサイクルを教えるのが最適なので3年前くらいから入れるようにしました。
そして得られたのは、「新人のうちからしっかりと学ぶことで早々とPDCAを回すことができるようになる」という結論です。
コスト意識についても新人看護職員研修の内容に入れていますが、これに関してもやはり早期に教えることで育てることが可能だというのが私の持論です。
PDCAのPとはプラン、つまり計画のことです。プランニングは仕事時間の約半分をかけるつもりで行うことが重要です。プランニングがすべてといっても過言ではないほど大切です。
医療職として働くと朝、病棟でちょっとした朝礼かミーティングをして、すぐに「現場」というところが多いかもしれません。でもそれでは効果的にリフレクションができません。我々は看護学生ではありませんが、今日1日の「計画」を発表し、具体的な業務をDo(実行)してふり返るということが仕事の質を上げることにつながります。
短時間でもよいので、まず、この業務に何分かけるか、初めての処置は何分かかるかという「見込み時間」と簡単なやり方を考えてから実行する習慣をつけましょう。
PDCAサイクル&日報とは
私の会社では新卒であろうが管理職であろうがすべての人に新人時代は「PDCAサイクル&日報」 を書いてもらいます。それで1日の終わりに仕事の質についてリフレクションをしています。
手書きの用紙かGoogleフォーム(Googleのサービスの一つとして提供されているWeb上で用途に合わせたフォームを作成することができるツール)を使いますが、修正しやすいのはGoogleフォームで、見やすいのは紙ベースです。
また、Googleフォームの場合は、フィードバック後、すぐに修正できるのが便利ですが、最初に入力した時間などの記述を残すようにしておかないと、指導の経過が新しい入力によって流れて行ってしまいますので、意識して残すようにしたほうがよいと思います。
テレワーク等で離れたところで働いているときなどはPDCAを意識した日報を書かせることは、業務報告を兼ねることができます。実際の例をいくつかご覧ください。
(図表1)
図表1はスタンダードな日報。こうしたスタイルの日報を活用している組織も多いと思いますが、これだと経時記録になりがちで、どのくらいの時間をこの業務に費やし、どのようにやっていくかの計画を書けないことが多いので、私の会社の新人は図表2のようなものを活用しています。
(図表2)
これだと、自分の時間の値踏みが妥当だったのかどうかがすぐにわかります。プランニングに自信がなければ、実行の前に指導者に相談するとよいと思います。「この仕事にこんなに時間はかからないでしょ」「このやり方でなくて直接電話して確認して5分でやって」など自分自身より仕事の精度が高い人からのアドバイスをもらってから仕事にかかるほうが効率的だからです。
★PDCAサイクル&日報の用紙は、「医療者のための新人共育ノート」の巻末付録P162にございます!!